リテンションで伸ばすリスニング!
意外に知られていない聞けないポイント!
英会話のなかで、
ネイティブが長い話をすると、なかなかその内容を覚えていられない、ということってありませんか?
聞けないというわけではないのです。むしろ、聞いている最中は個々の単語や表現をキャッチしているのです。
しかし、聞き終えて話の内容を振り返ろうとすると、肝心の内容を忘れてしまっている。
そして、結果として、その後、話が弾まなくなってしまう。
この問題を解決するためには、専門的な言い方をすれば、「リテンション能力」を向上させることが大切です。
リテンション能力というのは、英語を聞き取る際に、どれだけ自分の頭の中にその情報を記憶しておけるか、という「記憶力」のような力のことです。
実際に聞き取れていたはずのネイティブの英文の詳細を忘れてしまうという問題は、多くの英語学習者が苦労していることではないでしょうか。
私自身も、昔、リスニングがとても苦手でしたが、確かに問題は「聞き取れないこと」にあるのではなく、「聞き取った内容を記憶しておけない」ことでした。
そこで、ここでは、あなたのリテンション能力を向上させるための方法について、オススメの練習をご紹介したいと思います。
1. 粗筋を追うことで、まずは話の要点をガッチリと掴む
話の内容を細かく記憶することは、当然ですが、話が長くなればなるほど、難しくなってきますよね。
これは、何も英語に限ったことではなく、自分達の母国語の日本語の場合だって同じことが言えます。
政治家の演説や上司の退屈な話を隅々まで記憶しておくことなんて、まず不可能ですよね。
では、日本語の場合、私達はどうやってそういう長い話に対処しているのでしょう?
私達は、母国語の話を聞く時には、相手の話す言葉の一言一句全てに意識を傾けているわけではありませんね。
義務教育を終えて社会人になった人なら大抵備わってくる能力として、相手の話の「筋」を追って、要点を掴もうとするような「リスニング」を行っているのが普通だと思います。
要点さえ把握することができれば、相手が話の中で言いたかったことは大抵の場合、押さえることができますし、必要であれば、細かな情報も「粗筋」と共に思い出すことも容易にできるものです。
これを英語のリスニングにも応用してみると・・・・。
2. 話の大きな流れを「先読み」すれば、英文の聞き取りも易しくなる
では、日本語でなら無意識に行っている「筋を聞き、話の要点を掴む」聞き方を、英語ではどのように行えば良いのでしょうか。
もちろん、英語の場合には、わからない単語や聞き取りにくい発音、イントネーションの問題もあるので、最初から日本語と全く同じように取り組むことはできません。
ですから、普段から、なるべく多くの英単語を覚えるようにしたり、ネイティブの発音に慣れたりするような練習をしておくことが大切になってきます。
しかし、そのうえで、なお、「聞き取ったはずの英語が頭の中に残らない」という問題が解消されないようであれば、普段のリスニングの際に、ネイティブの話の構成を意識してみることをオススメします。
つまり、ネイティブが話をする時に、彼らが話を組み立てていくパターンのようなものを把握するのです。
このパターンを把握することができれば、彼らの話の大まかの筋道をある程度予測することができるようになってくるはずです。
そうすれば、一言一句英語を聞き取らなくてはならない、という心理的プレッシャーからも解放されるので、リラックスして話の筋を追えるようにもなってきます(リスニングにおいてはこの"リラックス"がとても大切なのです)。
以下に代表的なネイティブの話の組み立てのパターンを簡単に書いてみましたので、ご参考にしてみてください。
話題(問題)提起
↓
自分の意見(結論)
↓
根拠・理由
彼らの話の組み立て方というのは、たいてい、「○○についてなんだけど(問題提起)、自分ならそういうやり方はしないね(意見)。というのは、そういうやり方には次の二つのリスクがあるんだ。一つ目は××で、二つ目は△△だ(根拠)。」
これは、日本語なら、
「○○については、二つのリスクがあると思う(問題提起)。1つ目は××で、二つ目は△△だ(根拠)。だから、それらのリスクを考えると自分はそのやり方を選ばないね(意見)」
という展開になりますね。 すでにご存知の方も多いとは思いますが、英語では、自分の意見や、物事の結論はなるべく話の前半で述べられるのが普通です。
日本語はむしろ、その逆です。 このことは頭ではわかっているのですけど、いざ、話を聞くとなると、なかなか意識しておくことが難しいです。
そこで、普段からの練習が必要になってくるのです。
3. すぐにでも始められる!リテンション能力を急激に高めるのは、英作文練習だった!
それには、英作文が有効になります。
英作文と言っても、文法的に間違いのない完璧なものを書く必要はありません。
それよりも大切なことは、間違いだらけでもいいので、数センテンスを使ったショートストーリーを書いてみることで、ネイティブの発想に慣れることです。
話の内容は何でもいいし、日本語で考えても問題ありません。
とにかく、話の組み立て方だけに気を配るようにします。
例えば、こんな感じです。
(例)
大学時代はいろいろなバイトをしたものだ。
↓
その中でもAというファミリーレストランでのバイトが一番良かった。
↓
給料自体は大したことはなかったのでそれが理由ではない。
↓
大きな理由の一つは、食事を食べさせてくれたということ。
↓
もう一つの理由は、女の子のバイトが多かったので、出会いが豊富だったこと。
こんな具合に、
「(問題・話題提起)→(自分の意見・結論)→(根拠・理由)」という順番で、話の筋を組み立て、それを英作文する練習をするのです。
このように普段から話の筋を英語式に考えることで、英語を聞く時に「話の筋を追う習慣」がしっかりと養成されていきます。
そして、この習慣により、話の要点を把握する力も向上していき、例のリテンション能力も着実に高められていくのです。
是非、あなたもこの方法で、リテンション能力を高め、適確なリスニングで、今よりも話の弾む英会話を楽しみませんか。