英語リスニング力UPの意外な方法【電話での英語を聞き取るコツ】
第1章.電話での英語が聞きとれない・・・
今の仕事を始める前、私は、留学コーディネイターの職場にいました。
その職場が、初めての「英語を使う仕事」にありつけた場所でしたが、私が、最後まで、なかなか慣れることができなかったのが、ネイティブとの電話での英会話でした。
もともと、リスニングが苦手だったことが大きな理由ですが、このリスニングが、電話となると、輪をかけて、聞き取りにくくなるのですね。
そんなわけで、上司から、国際電話をかけるように指示される時は、いつも、心臓の鼓動の音が聞こえてくるほどに緊張したものでした。
アナタがもし、現在、業務で英語を使っているとしたら、やはり、電話でのネイティブとのやり取りが最も苦労する時間なのではないでしょうか?
・相手の言っていることが聞き取れるだろうか?
・自分の話す内容は、相手に伝えられるのだろうか?
このように、胃も痛むほどの緊張感の中で、業務に臨んでいるのではありませんか?
でも、このように苦労しているのは、何も、かつての私や、アナタだけではないのです。
英語を業務で使う人の本当に多くが、電話での英会話を苦手としているようなのです。
しかも、これは、英語が苦手な人ばかりの話ではなく、例えばTOEICで900点以上を取るような人にもあてはまる話のようなのですね。
どうして、電話での英会話は、こんなにも難しいのでしょうか?
第2章.耳だけに頼る、究極のヒアリング力が要求される電話会話
こんな話を聞いたことがありませんか?
私達が、他人とコミュニケーションをする時、内容の70パーセント以上は、音声以外の情報に頼って理解している。
つまり、私達が、誰かと話をする時や、テレビに登場している人の話を聞く時には、耳に入ってくる言葉以外の情報、すなわち、目に映る、手振りやジェスチャーなどの情報に、より重点を置いて理解する習慣がついているわけですね。
最近は、テレビなどを観ていても、画面の下に、わざわざ、日本語の字幕を出すことが多くなってきているほどです。
これなどは、いかに、私達が、自分達の"耳"を頼りなく思っているのかを示しているのではないでしょうか。
さて、日本語であっても、こうなのです。
外国語である英語でなら、なおさら、耳だけに頼って、相手の話の内容を理解しようとするのは至難の業なのではないでしょうか。
多分、このことが、電話での英会話が大半の英語学習者にとって、難しいものであると感じられてしまう最大の原因でしょう。
しかも、加えて、こんなデータさえあります。
それは、英語ネイティブの話者の話す音声の音域が、日本語話者に比べると「高音域」を多用し、しかも、その「高音域」は電話器の機能ではカバーし切れないものなのだそうです。
電話機がカバーできないということは、正確に言うと、音声として、電話機のスピーカーが伝えられないというわけで、すなわち、あなたの耳には、その音自体が消失してしまって入ってこなくなる、ということになります。
こうなると、リスニングが苦手である、という次元を超えた問題ですよね。
「苦手」というのは、「聞こえるはずのもの」が「聞こえない」レベルの話ですが、電話機を通すことで、音自体が消失してしまい、最初から、聞こえるわけがなくなってしまうのですから。
そんなわけで、あなたが電話でネイティブと英語を話す時、普段どおりの実力やスキルをなかなか出せない理由は、こんなところにもあったのですね。
そして、もう一点、電話英会話を難しくさせているものに、あなた自身の「緊張と恐怖感」そのものがあります。
「聞けないかもしれない、どうしよう」とか、「大切な話だから、一言一句聞き逃せないぞ」という思いから、強烈なプレッシャーが発生して、あなたが普段どおりの実力を発揮することの妨げになってしまうのです。
スポーツをやったことがある人ならわかりますよね。昔、巨人の長島さんが「プレッシャーを楽しむことがチャンスに強い秘訣ですよ」と言っていましたが、そんな心構えが私達にも大切なのかもしれません。
第3章.リラックスして、相手の話を常に一歩先回りするように頭を使ってみよう!
さて、それでは、実際に、電話での英会話を上手く行うために何か方法はないのでしょうか。
実は、私自身の経験から、方法がないわけでもありません。
ただ、最初に1つ、お断りしなくてはならないことは、「もともと持っている以上の実力は出せない」ということです。
つまり、今からご説明する話は、結局は、あなた自身の現在の実力を、いかにしたらフルに発揮することができるか、ということが前提になるのであって、実力そのものを"魔法"によって急激に高めるようなことは無理だからです。
そのため、このウェブで説明している「1日20分、3ヶ月間で英語リスニング力伸ばす意外な練習法」を普段からしっかりと実践しながら、しっかりとした"地力"をつけるように努力していくことは不可欠になります。
その点をしっかりと踏まえて頂いたうえで、以下の点を実践してみてください。
さて、まず、最初に大切なのは、「リラックス」した状態を作ることです。
前章でも述べましたように、電話英会話を聞き取りにくくしてしまう最大の敵というのは、実は案外、自分自身の心を支配する「緊張・恐怖」の気持ちであったりするのです。
これは、実は、電話の時だけでなく、TOEICなどのリスニングセクションの音声を聞く時にも同じことが言えますね。
つまり、「一言一句聞き逃すわけにいかない」というプレッシャーのせいで、普段なら楽に聞き取れるような表現が、全く聞き取れなくなってしまうことがありませんか?
この手の「完璧志向プレッシャー」ともいえる強烈な緊張感は、マイナス以外の何ももたらしてはくれません。
私も以前、このプレッシャーの犠牲者だった時期が長かったのですが、ある時、開き直ってからは、解消されるようになりました。
その「開き直り」というのは、ある時、いい加減、電話で緊張している自分に嫌気がさして、「わからなかったら、わからないだけ。相手に何度でもわかるまで聞き直せばいいじゃないか」と思うことがきっかけになりました。
そして、それからは、普段の英会話と同じような心構えで、かなり、リラックスして臨むことができるようになったのです。
それだけでも、不思議なもので、かなり、相手の話を聞き取ることが易しくなったように感じられました。
そして、そのうえで、次に私が行うようにしたことは、「想像力・推測力」を駆使する、ということです。
英語リスニングが上達してくるにつれて、磨かれてくる能力に、「話の筋を先回り、先読みしておく」というものがあります。
つまり、今、聞いている相手の話を「材料(ヒント)」にして、この先、その話が、どんなストーリー展開を見せていくのか?とか、どんなオチが待っているのか?などのポイントを予測するようになるのです。
もちろん、この「予測」はどこまで磨いても、完璧なものにはなり得ません。当たり前のことですが、相手の話を聞く前に、全ての内容を予測し尽すことなんて、できるわけがありません。
ただ、この「予測力」というのは、普段から、相手の話を完全に"受身"で聞くのではなく、「この人は、何を言おうとしているのだろう?」とか、「この言葉を今使ったということが後で意味するのは何だろう?」という風に、常に"能動的"な姿勢で聞くようにすることでどんどんと養われてくるものです。
この「予測力」は、電話の「音声だけに限定された」英会話の内容を把握していくうえでは、最大の武器になります。
予測によって、相手の話を"先回り"して、待ち伏せするように聞いていくことで、本来音声だけだった情報に対して、「予測した話の筋やイメージ」が、その内容を把握するためのサポート材料として活用できるようになってくるからです。
これは、もちろん、ある程度の訓練が必要な話ではありますが、常日頃から、"先回り"することを心がけておくだけで、必ず、高めることができるものでもあります。
以上、"リラックスした心の状態"を整え、"予測力を使って、相手の話の先回りをするように聞く"ことを続けることにより、電話の英会話というものに対して、いつしか、あなたの苦手意識も消えてくれることを願っています。
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