英語リスニング力UPの意外な方法のバックナンバー
『リスニングが頭に残る練習法~その2』
1度聞いたら忘れない!リスニングが頭に残る練習法
さて、先週お伝えしたリテンションのお話ですが、読者の方々からの反響が 大きかったので、今週も引き続き、さらに詳しくお話したいと思います。
リテンションとは、要するに、聞き取った英語を記憶しておく能力のことで した。
そして、この能力が不足していると「聞いていた時はわかっていたのに、後から思い出そうとすると忘れてしま っている」 こんな状態になってしまいます。
そこで、先週、その対策として、ネイティブの英語での話の筋の進め方に慣 れるような練習をしてみましょうって話をしました。
具体的には、普段から、ネイティブが話すような筋道の組み立てで、英作文 をしてストーリーを自ら作る、そんな練習が効果的だと申し上げました。
そうすることで、ネイティブの話の展開のさせ方に慣れてくれば、リスニン グの時も、話の筋を追っていくような聞き方ができるので、ストーリー全体 が把握できて、忘れにくくなるからです。
リテンションが弱い人は、リスニングの際に、個々の単語・語句に意識を集 中するあまりにストーリー全体の筋を追えていないケースが多いのです。
じゃあ、個々の単語・語句から意識を外して聞けばいいのでしょうか?
もちろん、そういうわけでもありません。
全ての英文は、元々はそのような個々の単語・語句が集まって出来ているの ですから。 枝葉末節という言葉がありますね。
木の肝心な幹の部分を見ようとしないで 、枝葉だけに目を囚われてしまうという物事の本質を見抜けない様を表した 言葉です。
リスニングも同様で、個々の単語や語句に意識を奪われすぎてしまうと、肝 心のストーリーの展開や要点などを取り逃してしまうことになりかねないの です。
それでは、具体的にどうすればいいのでしょう?
1つ、はっきり言えることは、 「個々の単語や語句を理解するのに時間をかけすぎない」ということです。
私のウェブサイトで詳しく説明してありますが、リスニングが難しいのは、 音を聞き取って、なおかつ、その意味も理解していかなければいけない、と いう点です。
しかも、そこでポイントとなるのが、ネイティブが話すのと同じ速度で、英 文を理解していくことであり、この速度が遅くなれば、当然、彼らの話につ いていけなくなるわけです。
話についていけなくなれば、話の筋も見失ってしまうわけです。
それでも、なんとか意味を追おうとすると、大抵の場合は、意味の伴わない 音として英語の各単語を聞き、最後まで聞いた後で、なんとか、頭に残った 語句だけで意味を構成しようとしてしまうのです。
そして、結果として、リテンションが全く出来ていない、ということを痛感 させられてしまうのです。
そうなると、リテンション強化の第一歩としては、「枝葉末節」に陥らずに 、英語の意味を素早く理解する技術を磨くことだ、ということができるので はないでしょうか。
そして、そのための対策練習としては、先週も登場した「英作文」がいいの です。
1.個々の英単語の相互関係や語順を適確に把握するにはコレが一番!
先週は、「話題(問題)提起→自分の意見(結論)→根拠・理由」のように、ネイティブが実際にストーリーを組み立てる順序を真似て、普段から英作文していくことが効果的であるということを申し上げました。
今週は、ストーリー全体から、もう少し、細かい部分への英作文練習がもたらす効果について説明します。
英作文をやったことのない人なんていませんよね。
作文というのは、日本語であっても同様ですが、実際に、言葉を連ねて文を構成し、また、その文を連ねて、ストーリーを構成していくわけです。
この「○○を連ねて××を構成する」というのが要点となる技術なのですが、この技術には、「文法」というルールブックの正しい理解が要求されます。
それでは、まずは、分厚い文法書を開いて、居眠りと戦いながら、その膨大なルールの数々を1つ1つ読んでいかなくてはならないのでしょうか?
それが、おもしろいことに、この文法を理解していく最短・最良の方法というのも、英作文そのものであるのです。
中学・高校で習った知識がある程度頭に残っている人であれば、文法書のことなどは頭の片隅に追いやって、まずは、紙を取り出し、思い切って、自分の書きたい内容を英作文していってみるのです。
その後、当然、文中の個々の単語の並べ方やその語順についての疑問が沸き上がることでしょう。
そうしたら、そこで、初めて、文法書を活用してあげればいいのです。
もちろん、あなたに英語を教えてくれる英語教師やネイティブの友人がいれば、文法書の代わりに彼らに聞くのも手っ取り早いかもしれません。
いずれにしても、英文を組み立てていくうえでの、各単語の文中での相互関係や、語順についてのルールなどは、英作文練習をいきなりやってしまうことが一番なのです。
2.語順のルールを把握すれば、「語」ではなく、「筋」で頭に残るようになる!
さて、そのように英作文を通じて、英文の語順のルールを把握することができれば、英語を聞く時にも、そのルールを無意識のうちに適用することができるようになり、英文の語順のままに、素早く英語が理解できるようになってきます。
そうすれば、英語のリスニングを難しいものにしているあの二つのプロセス、すなわち、音を聞き取って、それを、話される速度のままに理解していく、ということも次第にそれほど難しいものではなくなってくるのです。
ネイティブが話す速度についていきながら、話を理解していくことができるようになれば、当然、ストーリー全体の筋というものもラクに追えるようになるはずです。
そうすれば、後でストーリーを振り返った時にも、その展開に伴って、端々の語彙や表現というのも付随して思い出されるようになってくるはずです。
つまり、リスニングの際に、個々の単語は既にあなたの中にセットされた「語順ルール」のフィルターにどんどん放り込んでいっても、そのフィルターを通して出てきた「話の筋」だけを頭に残すようにして、聞くことができるようになっていくのです。
こうなれば、もうリテンションということがあなたの中で問題になることはなくなるはずですね。
英作文を中心にした「英語の語順ルール」を身につける練習法につきまして、さらに詳しくお知りになりたい方は当方のメインサイトをご覧下さい。 それでは、また来週。
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【編集後記~ヒロ水越】
2週続けて、リテンションのお話でした。
リテンションと言えば、昨日まで、街中で衆議院選挙の立候補者達が、お腹 の底から声を振り絞って、演説をされていましたが、皆さんに頭にはどれく らい話が残りましたか?
選挙結果は、予想外(?)の自民党の圧勝でしたが、これって、ひょっとす ると、リテンションの問題があったのかもしれない、って思ったのは私だけ でしょうか?
(ちょっと、この話題に憑りつかれているのかな?) というのは新聞などを読むと、小泉さんの勝因は、争点を「郵政民営化」一 本に絞り、そればかりを「○○の1つ覚え」のように繰り返していたためで 、いろいろ複雑な話をしていた他の政党の党首達とはあきらかに一線を画し ていた、と書いてありました。
どんなにリテンションの弱い人や政治的関心の薄い人が聞いても、確かに小 泉さんほどに同じポイントを繰り返されては、それを忘れようがありません よね。
つまり、今回の小泉さんの大勝利は、政策の勝利というよりは、「リスニン グ(リテンション)のからくり」に訴えた彼の「語学知識」の勝利と言える かもしれませんね。
そういえば、小泉さん、大学時代にイギリスへ留学されていたみたいだし、 実は相当に英語能力に長けた方なのかもしれませんね。
主な内容:リスニング力を3ヶ月で伸ばさなければならない人のために いろいろな角度からリスニング力の養成法について掲載。
今英語が苦手な人は、私の英語ができなかった時代のプロフィールを 綴った「アメリカ留学体験記」を一読ください。きっと勇気がでますよ!
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